福岡県知事指定伝統工芸品のひとつである「小倉織」が一堂に会する展覧会が開催されます。
本展には、ITOBAの会員である大和恵子の作品も出品され、時代を超えて受け継がれるその美しさを存分に堪能できます。
伝統が紡ぐ新たな感動― 小倉織
「小倉織」は、江戸時代初期から大正時代にかけて、北九州を中心に盛んに織られていた織物です。
その特徴は、縦糸の密度が非常に高く、丈夫で美しい縞模様を生み出すことにあります。かつては袴や帯、羽織などに広く用いられ、その耐久性の高さから「武士の袴は小倉に限る」と称され、日本全国で愛用されていました。
しかし、時代の流れとともに昭和初期には生産が途絶えてしまいます。
それから長い年月を経て、近年になりその美しさが再評価され、復興の動きが進められるようになりました。現在では、地域の文化として新たな歩みを続けています。
豊前小倉織研究会の歩み
今回の企画展を主催する「豊前小倉織研究会」は、1995年に北九州市の市民文化講座をきっかけに結成されました。
歴史的な資料をもとに小倉織の特徴を忠実に再現しながら、現代の感性に合う作品を生み出す活動を続けています。
デザインから糸紡ぎ、染色、織り、仕上げに至るまで、一人ひとりが手作業で仕上げています。
そのため、一点一点が異なる表情を持ち、工業製品にはない特別な魅力を放っています。
本展の見どころ
本展では、小倉織の帯やバッグなど、約300点の作品が展示・販売されます。
時を超えて織りなされる縞の美しさ、そして手仕事ならではの温かみを感じる作品の数々は、訪れる人々の心を惹きつけることでしょう。
また、会場では、小倉織の制作工程を知ることができる糸車での糸紡ぎ実演も行われます。
伝統の技を間近で体感できる貴重な機会となりますので、アートを愛する皆さまにぜひご覧いただきたい展覧会です。
伝統が今に息づき、新たな価値として輝く小倉織の世界をどうぞご堪能ください。
匠ギャラリー企画展「春を彩る小倉織」
期間:2025年3月12日(水)~3月17日(月)
時間:10:00~19:00
会場:アクロス福岡1F 匠ギャラリー・ギャラリー1
〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1丁目1-1
主催:一般社団法人 豊前小倉織研究会
豊前小倉織研究会|小倉織-江戸時代から愛された木綿織物-
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